ビジネスで大きく成功した中野善壽さん、待望の書籍出版です。
次から次へと来る出版依頼をことごとく断り続けてきたというから、尚、興味深い。
その中野さんに「いいよ。やろう」と言わせたのは、若き編集者の熱意があったからだとか。
彼が提案したテーマは、本の題名にもなっている『ぜんぶ、捨てれば。』
断捨離の指南書は本屋に行けば数知れず並んでいますが、これはただの断捨離本ではありません。
忙しさを極める中野さんが、あろうことか、スマホを捨てたというエピソードからも、ただの断捨離本ではないことは明白。
中野さんの突き抜けた感性、飾らない『素』を垣間見れる一冊となっています。
- やりたいことをやる。
- 興味が湧いたことには、とことん夢中になる。
- 注いだ時間や資金なんて関係ない、何か違うなと感じたらやめることを躊躇しない。
すべて、潔い。
言ってしまえば、わがまま。
けれど、カッコいいと思ってしまう。
読み終えた後は、
『やってみよう』
『よし、やめよう』
と、何でもいいから動き出したくなる。
こういう生き方もあるんだと、なんとも、スカッとする一冊です。
書評なんて大げさですが、私の心がスカッとした一文を切り取ってご紹介します。
それでは、早速いってみましょう。
スカッとしたその①『今日がすべて。すべては因果応報。』
中野さんの潔さは、『今日がすべて』と考えるから。
過去?未来?
そんなこと考えたってしょうがない!
だって、今日がないと明日はないよ、当たり前だよね。
という潔さ。
つまり、すべては因果応報ということ。
今日したいことを、今日思いきりする。悔いなくね。
楽しもうよ!と中野さんは語っています。
まずは、『今日を、生きる』
なんとも、単純明快です。
すべては因果応報。将来をつくるのは、今日の自分。
今日の自分を妨げるものはぜんぶ捨てて、颯爽と軽やかに、歩いていこうじゃありませんか。
スカッとしたその②『周りになんて、合わせなくていい。』
『周りになんて、合わせなくていい。』
私のようなHSP気質を持った人には、グッときます。
周りに合わせなくちゃという同調、協調で生きてきたのがHSPさんだからです。
わかってるよ、けど、自分を主語に生きていくなんてできないんだよ、と叫びたくなりますよね。
こうしたHSPさんにとって一歩を踏み出すヒントになる一文がコチラ ↓↓↓
「自分はそうは思わないんだけどな」とふと感じた”違和感”を大事にしてほしいと思います。
いきなり自分を主語にして生きていくことは無理…
けれど、違和感を意識することくらいはできるかな。
その感覚を認めることから始めてみようかな、と思わせてくれました。
スカッとしたその③『できることが、なくてもいい。こだわりがなければ、なんでもできる。』
私が昔から悩んでいたこと。
- 私に何ができる?
- 私に何が向いている?
- 私は何をしたらいい?
将来の夢がある人はうらやましいな、とか、やりたいことがあるなんていいな、と漠然と思っていました。
それは、学生の頃も、そして、社会人になってからも。
けれど、中野さんは、そんな悩みをバッサリ振り切ってくれます。
出会いなんていうものは、どこにあるか誰にもわからない。
探そうと思って探せるものでもないし、正解だってない。
だからこそ、『何もやりたいことがない』というこだわりのなさが幸運を引き寄せてくれる、と中野さんは言うのです。
そのたびに挫折なんてしなくていい。
だって、また出会ったものに向き合い、始めてみればいいんだもんね。
こだわりやプライドなんて持っちゃいけませんよ~、くらい楽なほうがいい。
スカッとしたその④『がんばり過ぎたら、やめていい。』
執着という話。
私にはこれしかない。こんなに時間と情熱を注ぎ込んだのだからあきらめるなんてできない!
と思って、心の中に芽生えた違和感を無視し続けて、仕事を辞める決断ができませんでした。
その年数は、なんと、10年。
今思えば、あれはただの『執着』でしたね。
考えてみれば、糸がぷつっと切れた瞬間がありました。
つまり、中野さんが言う『がんばり過ぎたら、やめていい。』という瞬間のこと。
蓋をしていた思いを大切にしようと思わせてくれたのはこの一文。
始める勇気と同じくらい、大事なのは”やめる勇気”。
無駄にする時間なんてありませんね。
スカッとしたその⑤『そもそも人間関係なんて、合わない人がいるのが当たり前。』
そもそも論ですが、こちらの歌 ↓↓↓
1年生になったら~友達100人できるかな~♪
一度は歌いましたよね?
私は、この歌詞に囚われてきました。
だって、『みんなと仲良くしようね』
なんてことは、無理じゃないですか!?
あの子と遊ぶのはしんどいな~、とか、集団行動辛いな~、とか思ってきたわけですよ。
そもそも、友達は多くいなくちゃいけないものなの!?
それとも、しんどくてもがんばって友達作りしなくちゃいけないの!?
そう思い続けてきた私ですから、この一文には共感しかありませんでした。
人間関係はがんばって広げなくていい。
縁ある人とは必ずどこかで出会えるはず。
中野さんは、仕事の後、同僚と飲みにもいかないそうですよ(笑)
やっぱり、中野さんは、あっさり潔く断るんだそうです。
スカッとしたその⑥『できないものは、できない。』
諦める力という話。
”最後まで諦めない”を美徳とする日本人。
けど、最後っていつ?
達成すれば最後があるけれど、いつまでも成果が出ないとしたら…地獄ですよね。
『できないものは、できない。』
子どもが駄々をこねているようですが、そう考えるならば、子どものほうがよっぽど”わかっている”ということ。
迷いに迷ったら、中野さんはこう言っています。
もっと単純に「やりたいか、やりたくないか」で判断したっていい
スカッとしたその⑦『気になった人には、すぐ会いに行く。』
いつ会いに行くの?
いまでしょ。
ということ。
”いつか”は来ない。
今このとき、ふと頭をよぎった『あの人に会いたい』という衝動を、今すぐ満たそう。
それは、私の人生にきっと必要なことだから。
実際に会って話を聞いてみないとわからない。
それは、確かに、会ってみないとわからないと思いますね。
スカッとしたその⑧『形あるものは残さない。形ないものをどれだけ残せるか。』
棺桶に財産詰め込んで、あの世に行きますか?という話。
形あるものは、大概、買えます。
けれど、人の生き様は買えません。
物に価値あるとするならば、物そのものというよりも、生み出した人の掛けた思い、手にした人の思い、だと思うんです。
だから、形あるものよりも、その物に携わった人たちの歴史こそに意味があるのかなと。
物でなくても…
『お母さんの、あの時のあの言葉に支えられている』
『誰かの言葉が座右の銘になっている』
『あの人の生き方が目標だ』
こういうことはあると思います。
つまり、人の心に残り続けるのは、意外にも、形ないものだということ。
残そうと思って残しているのではないという、中野さんの生き様が、なんともカッコいいのです。
まとめ:【書評】『ぜんぶ、すてれば』スカッとした一文を切り取ってご紹介
さて、今回は『ぜんぶ、すてれば』の書評を書いてみました。
本のどこの部分を切り取っても、中野さんの生き様は潔くカッコいい。
そして、自分の心に嘘をつかない。
そのうえ、人間味溢れる人だと知ることができる一冊です。
よかったら手にとってみてください。
それでは今回はこの辺で、りかままでした。