仕事で失敗したという経験は誰にでもあるでしょう。
そのときとっさに思うことはこんなことではないでしょうか。

謝らなければいけない。
私も、就職して間もないころ、レジ打ちの金額を間違えてお客様から商品代金以上のお金をもらったことがあります。
やってしまった、すぐに先輩に報告しないと…と思うのですが、 自分の失敗をなかなか言い出すことができません。
仕事の失敗を報告したり謝ったりすることは簡単にできそうで、できないものですよね。
その場から逃げ出したいと思う人もいるはずです。
とはいえ、謝罪は社会人にとって避けては通れない必要なスキルです。
▼この記事ではこんな内容をご紹介します
- 仕事の失敗を報告するタイミング
- 仕事の失敗の謝り方「言葉選びと謝る姿勢」
- 仕事の失敗の謝り方「何をどう伝えるか」

ぜひ、ご一読ください。
仕事の失敗を報告するタイミング
仕事で失敗をしたときには「いつ、どんなタイミングで報告するか」は重要です。
タイミングを間違えてしまい、かえって上司を怒らせてしまうということもあるからです。
急を要する報告
本来、謝罪は対面で行うものです。
しかし、今すぐ報告しなければ取り返しのつかないことになってしまう失敗は電話で速やかに上司へ報告して指示を仰ぎましょう。
たとえばこんな場合
- 顧客データをすべて消去してしまった
- イベントの開催日時を間違えてDMを送ってしまった、しかもイベントは今日
問題が解決したあとゆっくり上司に対面で謝罪をします。
一呼吸おいていい報告
失敗に気づいたときすぐに報告しなくても問題がないものは一呼吸おいてからにしましょう。
上司にだって都合があるからです。
たとえば上司がこんな状況にあるとき
- クライアントと打ち合わせ中
- 優先すべき仕事を抱えている
- 体調不調
相手の状況を見極めることも仕事には必要なこと。
上司の手が空いているタイミングを見計らって報告しましょう。
失敗から謝罪まで時間があるので、
『何を失敗したのか』
『どうして失敗したのか』
『今後の対策はどうするのか』
という報告すべきポイントをまとめておくことができます。
仕事の失敗の謝り方「言葉選びと謝る姿勢」
失敗を報告するときには順を追って事実を正しく話す必要があります。
また、言葉選びや表情、動作からもあなたの誠意は伝わります。
謝罪の言葉選び
社会人として、敬語や丁寧語で謝罪をするのは当然のことです。
日頃からフレンドリーに接してくれる上司だからといって勘違いしてはいけません。
(悪い例) すみませーん、発注の桁を間違えちゃいました
(よい例) 申し訳ありません、発注の桁を間違えてしまいました
あいまいな表現も避けましょう 。
(悪い例) 1,000個発注のはずが、たぶん、10,000個発注してしまったと思うのですが
(よい例) 1,000個発注するところ、間違えて10,000個発注してしまいました
同じことを伝えるにも日本語にはたくさんの語彙があり表現があります。
どんな言葉を選んでどういう言い回しで伝えるかにはあなたの誠意が反映するものです。
心からの誠実な謝罪を伝えるためには正しい言葉を知ることが大切ですね。
普段からこんなことを学んでおくといいですね。
- 語彙の知識
- TPOを考えた言葉選び
表情や立ち居振る舞い
謝罪は正しい言葉で伝えればそれでいいというものではありません。
人には感情があるからです。
あなたが上司だとしましょう。 部下がやってきて、小さな声で、もじもじと、早口で、何かを謝罪したとします。
どう思いますか?

謝る気はあるのか?
と思うのではないでしょうか。
謝罪をするときには、表情や立ち居振る舞いも大切だということです。
気を付けるポイントは以下の4つです。
ポイント
- 相手の目を見て謝る
- 緊張感を持った表情で伝える
- 大きな声でゆっくりと伝える
- 立ち姿勢で話す
それではひとつずつ解説していきます。
相手の目を見て謝る
私と話をしているのだけれど視線が合わないので話の内容が全然入ってこないと感じたことはありませんか。
どんなに一生懸命話しても話の半分も相手に伝わっていません。
人の目を見て話さないのは相手を不安にさせるしときには不愉快にもさせます。
謝罪は目力に表れるといっても過言ではありませんね。
緊張感のある表情で伝える
目と同じくらい表情も大切です。
ニコニコした表情、ゆるんだ表情では、誠意は伝わりません。
頭を下げるときは、適度な緊張感が必要なんです。
大きな声でゆっくりと伝える
嫌なことは早く済ませたいと思うのが人の心情です。
だから、つい謝罪のときは早口になりがちです。

謝罪を受けた上司は、部下の失敗をフォローする必要があるかもしれませんし部下の仕事量や配置換えを検討する必要があるかもしれません。
そのためには、失敗の内容が正しく伝わる必要があるのです。

立ち姿勢で話す
意外に見落としがちなのが、立ち姿勢で謝罪することです。
上司が座っているからつい自分も座ってしまったということのないようにしてください。
反省の気持ちはこういうところにも表れるものです。
仕事の失敗の謝り方「何をどう伝えるか」
事実は5W1Hで伝える
(例題)発注個数を間違えた
When 先週
Where 取引先〇〇に対して
Who 私が
What 販促品のボールペンを
Why 1,000個必要なところ、10,000個と間違えて発注してしまった
How すでに発送されたため、取り消しができません
5W1Hに当てはめて整理すると伝えるべき情報に洩れがなくなります。
言い訳をしない
- 昨夜遅くまで仕事をしていて寝るのが明け方になったため、寝坊をしてしまいました。申し訳ありません。
- 寝坊をしました。遅刻して申し訳ありません。
①と➁のどちらの印象がいいですか。
いうまでもなく後者ですね。
前者の胸の内にあるのは保身です。
遅刻したのにはちゃんとした理由があるのだと言いたいのです。
誠実な謝罪に、言い訳は必要ありません。
自分の非を認める
- 自分はそんなに間違ったことをしていない
- この場合は仕方なかったんだ
- みんな同じ失敗をしているじゃないか
こんな思いを抱きながらする謝罪は相手に見透かされます。
失敗の原因は、自分以外にもあるかもしれないし不運もあったかもしれません。
けれども、任された仕事であるならば責任は自分にあると素直に認める気持ちが大事です。
上司の気持ちになってみてください。
失敗はしたけれど一生懸命向き合おうとしている部下をなんとかしてやりたいと思いませんか。
次の仕事につなげさせてやりたいと思いませんか。
上司も通ってきた道だからです。

他の責任を追及しない
「送ったイベントはがきの会場がプリントミスでした。申し訳ありません。でも確か、〇〇さんが用意してくれた資料にはそう書いてあったんです。」
どうですか?聞き苦しいですよね。
この報告には告げ口が混ざっているからです。
用意してくれた資料に間違いがあったのかもしれない。
けれども、再確認したり誰かに確認してもらったりする方法があったはずです。
だから謝罪は自分のことだけでいいのです。
許しを求めない
仕事の失敗は同僚や上司に迷惑をかけてしまうことであり会社に不利益を与えることです。
お給料をもらっている以上、失敗を謝罪し次から同じ失敗を繰り返さないよう対策をとることは当然のことです。
許すか許さないかは相手の問題です。
自分がコントロールするものではないことを認識しましょう。
同じ失敗を繰り返さないための対策を伝える
新入社員のころ業務を教えてもらうときや商品の名前を覚えるときはメモを取りなさいと先輩から言われました。
では、なぜメモを取るのか。
人は一度聞いただけでは覚えられないからです。
メモを頼りにすれば実際にやってみることができます。
メモ帳がいっぱいになれば、別のノートにわかりやすく整理して自分だけの業務ノートを作ることもできます。
私は、業務ノートを手に実際やってみることを繰り返して仕事を覚えました。
仕事で失敗したときも同じです。
同じ失敗を繰り返さないために改善策を書き上げましょう。
改善策をリストアップする
- 業務の手順を書く
- チェックリストを作る
- 間違えてはいけないポイントを書く
今後同じ失敗を繰り返さないために対策は必要です。

上司や先輩を信じること
会社員である以上、仕事はひとりではできません。
任された仕事であっても、助けてもらったり教えてもらったりしながら成果を出していくこともあります。
普段は意識してないかもしれませんが、任せてもらえるのは信頼関係が成り立っているからです。
謝ることは勇気がいるし、自分の情けない部分も認めないといけないので簡単なことではありません。
でも、上司や先輩は受け止めてくれます。
なぜなら、上司の仕事とはこういうものだからです。
- 部下の話に耳を傾ける
- 部下にアドバイスをする
- 部下のストレスを軽減する
- 部下を勇気づける
- 部下の責任を取る
ですから、一人で悩まずまずは相談することです。

まとめ:仕事で失敗したときの上司への謝り方「失敗から何を学ぶかが大切」
仕事の失敗は誰にでもあることです。
大切なことはどう謝るか。
もう一度おさらいしておきましょう。
謝るタイミング
- 取り返しがつかなくなってしまうとき→すぐ報告謝罪
- 一呼吸おいていいとき→上司の状況を見極めて報告謝罪
謝罪の言葉選びと姿勢
- 誠意の伝わる言葉づかい
- 相手の目を見る
- 緊張感を持った表情
- 大きな声でゆっくりと伝える
- 立ち姿勢で話す
謝罪では何を伝えるか
- 順を追って事実を伝える
- 言い訳をしない
- 自分の非を認める
- 他の責任を追及しない
- 許しを求めない
- 同じ失敗をしないための対策を伝える
そして、何より大切なことは上司を信じて話すことです。

失敗からの学びを活かして、次は後輩の失敗を受け止めてあげられる先輩となってください。
それでは今回はこの辺で、りかままでした。